森の中☆ [おはなし]
ここは、森の中。
大きな木や小さな木が、沢山集まっている。
太陽の光もあまり入らないので、昼間でも暗い。
だから、森の中は黒一色。
森の中の木は、右を見ても左を見ても似た様な木ばかり。
その事に、とても不満を感じている1本の木がいた。
木は、周りの木の様な地味な木ではなく、もっと目立ちたかった。
誰よりも目立って、綺麗な木になりたいと思っている。
そして、この森の中には、目立ちたがり屋の木の様に不満をもっているものが他にもいた。
来る日も来る日もくらぁ〜い森の底で暮らしていることに、飽き飽きしていた雑草だ。
雑草は、以前森の木をくぐり抜けながら通り過ぎて行った風に、こんな事を聞いた。
「この森の向こうには、青く広い空というのがあって、そこにはキラキラ光る太陽っていうものがある」と。
雑草は、その話を聞いてから、青い空に輝く太陽が見たくて見たくてしかたなかった。
雑草は、そこで考えた。
「そうだ! 大きい木に這って行ったら、いつか青い空と太陽が見られるはずだ!」
そこで、近くの木に声をかけ、お願いしてみることにした。
「もしもし、木さん。」
木は、声のする足元に目をやると、土に這っている雑草が目に入った。
雑草は、木が自分に気付いてくれたのを確認してから話を続けた。
「あの木さん、私はあなたにお願いがあるのです。」
「私にお願い?」
「はい。私は生まれてから、ずっとこの暗い森の中にいて、外の世界を見た事がありません。」
「それで、あなたの体を借りて、この森の外を見にいきたいのですが・・・・」
すると、木は答えた。
「いいわ。」
「でも、あなたに外の世界を見せてあげるかわりに、あなたは私に何かしてくれるの?」
雑草は、しばらく黙っていた。
そして・・・・
「はい。」
「木さんは、いつも周りの木とは別の木になりたいって思ってましたよね。」
「私に、森の外を見せてくれたら、私は木さんを他の木よりも、ずっと素敵な木にしてあげます。」
木は、雑草にどうやって素敵にしてくれるのかと聞いてみたけれど、雑草は「それは秘密です。」と言ってクスッと笑った。
その日から雑草は、少しずつ木を登り始めた。
長い時間と月日をかけて、雑草はやっと木の上へやって来た。
雑草は、ゆっくりと頭を上げた。
すると、そこには今迄見た事も無い世界が広がっていた。
「でも、どれが空でどれが太陽?」と思っていたら、その時「今、あなたが見ているのが空というの。青い空。そして、所々にあるのが雲。白い雲よ。」
雑草は、あまりの感激に声が出ない。
しばらくして、雑草は「ハッと」した。
太陽が無い。
「太陽は、どれ?」って聞くと。
「あそこよ。」と教えてくれたけれど、目が痛くて見る事ができない。
木は言った。
「無理よ。太陽はまぶし過ぎて見る事は出来ないの。でも、この森の外がこんなにまぶしくて明るいのは、太陽が輝いているからなの。」
「ところで、あなたは私を素敵にしてくれる。」って約束をしたけれど、いつ私を素敵にしてくれるのかしら?」と、木は雑草に聞いた。
すると、雑草はニヤリと笑い「あら、もう約束通りあなたを素敵にしたわ。」と答えた。
木が不思議そうな顔をしていると・・・・
「ほら、あなたの体を見て。私があなたの体を這って来たことで、私があなたの洋服になっていたのよ。」
木は、自分の体を見ると、そこには雑草の葉が綺麗に絡み付き、素敵な洋服となっていました。
その葉は、緑から赤や黄色と色を替え、それはそれは素敵なドレスの様。
木は、他の木とは違う木となり、どの木よりも素敵な木に変身していました。
そして、木は雑草と共に生きることで、素敵な服を手にする事が出来、雑草は明るい世界を手にする事が出来ました。
大きな木や小さな木が、沢山集まっている。
太陽の光もあまり入らないので、昼間でも暗い。
だから、森の中は黒一色。
森の中の木は、右を見ても左を見ても似た様な木ばかり。
その事に、とても不満を感じている1本の木がいた。
木は、周りの木の様な地味な木ではなく、もっと目立ちたかった。
誰よりも目立って、綺麗な木になりたいと思っている。
そして、この森の中には、目立ちたがり屋の木の様に不満をもっているものが他にもいた。
来る日も来る日もくらぁ〜い森の底で暮らしていることに、飽き飽きしていた雑草だ。
雑草は、以前森の木をくぐり抜けながら通り過ぎて行った風に、こんな事を聞いた。
「この森の向こうには、青く広い空というのがあって、そこにはキラキラ光る太陽っていうものがある」と。
雑草は、その話を聞いてから、青い空に輝く太陽が見たくて見たくてしかたなかった。
雑草は、そこで考えた。
「そうだ! 大きい木に這って行ったら、いつか青い空と太陽が見られるはずだ!」
そこで、近くの木に声をかけ、お願いしてみることにした。
「もしもし、木さん。」
木は、声のする足元に目をやると、土に這っている雑草が目に入った。
雑草は、木が自分に気付いてくれたのを確認してから話を続けた。
「あの木さん、私はあなたにお願いがあるのです。」
「私にお願い?」
「はい。私は生まれてから、ずっとこの暗い森の中にいて、外の世界を見た事がありません。」
「それで、あなたの体を借りて、この森の外を見にいきたいのですが・・・・」
すると、木は答えた。
「いいわ。」
「でも、あなたに外の世界を見せてあげるかわりに、あなたは私に何かしてくれるの?」
雑草は、しばらく黙っていた。
そして・・・・
「はい。」
「木さんは、いつも周りの木とは別の木になりたいって思ってましたよね。」
「私に、森の外を見せてくれたら、私は木さんを他の木よりも、ずっと素敵な木にしてあげます。」
木は、雑草にどうやって素敵にしてくれるのかと聞いてみたけれど、雑草は「それは秘密です。」と言ってクスッと笑った。
その日から雑草は、少しずつ木を登り始めた。
長い時間と月日をかけて、雑草はやっと木の上へやって来た。
雑草は、ゆっくりと頭を上げた。
すると、そこには今迄見た事も無い世界が広がっていた。
「でも、どれが空でどれが太陽?」と思っていたら、その時「今、あなたが見ているのが空というの。青い空。そして、所々にあるのが雲。白い雲よ。」
雑草は、あまりの感激に声が出ない。
しばらくして、雑草は「ハッと」した。
太陽が無い。
「太陽は、どれ?」って聞くと。
「あそこよ。」と教えてくれたけれど、目が痛くて見る事ができない。
木は言った。
「無理よ。太陽はまぶし過ぎて見る事は出来ないの。でも、この森の外がこんなにまぶしくて明るいのは、太陽が輝いているからなの。」
「ところで、あなたは私を素敵にしてくれる。」って約束をしたけれど、いつ私を素敵にしてくれるのかしら?」と、木は雑草に聞いた。
すると、雑草はニヤリと笑い「あら、もう約束通りあなたを素敵にしたわ。」と答えた。
木が不思議そうな顔をしていると・・・・
「ほら、あなたの体を見て。私があなたの体を這って来たことで、私があなたの洋服になっていたのよ。」
木は、自分の体を見ると、そこには雑草の葉が綺麗に絡み付き、素敵な洋服となっていました。
その葉は、緑から赤や黄色と色を替え、それはそれは素敵なドレスの様。
木は、他の木とは違う木となり、どの木よりも素敵な木に変身していました。
そして、木は雑草と共に生きることで、素敵な服を手にする事が出来、雑草は明るい世界を手にする事が出来ました。
2012-11-02 10:58
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素敵な話ですね(^_-)-☆
これMieさんが考えたんですよね?とっても心が温かくなりました^^
絵本にしてみたいお話ですね!!
想像力のあるMieさんに脱帽です〜(^^ゞ
by わんわん (2012-11-02 22:04)
わんわんさん
コメント、頂けて嬉しいです。
ありがとうございます。m(_ _)m
ブログへ掲載するには、どうだろうと思ったんですが、Kenとのお散歩をしていて、毎日このツタの葉っぱが目に入って来ていたんです。
ただ目に入っていたのが、昨日何となく頭の中にお話が浮かんだので書いてみたくなりました。(^^;)
いつもは、浮かんでも一つのおはなしになるに至らないのですが、今回は何とか最後まで辿り着き、嬉しくなって勢いでブログに載せてしまいました。(^^;)
でも、褒めて頂いてとても嬉しいです。
本当に、ありがとうございます。(^^)
by Mie (2012-11-03 05:58)
写真とぴったり合って とても素敵なお話でした!
ほっこりしました♡^^
by うさこ (2012-11-03 19:28)
すごーい!お散歩での風景が、こんな素敵なお話になるなんて(^^)
by 小梅姉 (2012-11-03 20:33)
うさこさん
読んでいただいて、ありがとうございます。
幾つになっても、褒めて頂くと嬉しくなりますね。(^^)
大人でも、褒めて頂くとすごく嬉しいのですから、育ち盛りの子供を褒めることがどれだけ大切かと言う事も実感させて頂きました。(^^)
ありがとうございます。(^^)
by Mie (2012-11-04 09:56)
小梅姉さん
趣味で書いた物に対して、コメントをして下さるのって難しいと思うので、読んでいただけただけでも嬉しいですが、褒めて頂いてとても嬉しいです。
ありがとうございます。(^^)
私、歩いている時いつもキョロキョロ周りをみているんですが、それは特に何かを探している訳ではなく、なんとなぁ〜くなんですが、そんな時に何か気になるものを目にする事が多く、それがいつもお話になるわけではなく、今回はたまたまなんです。(^^)
褒めていただいて、本当にうれしいです。
ありがとうございます。(^^)
by Mie (2012-11-04 10:09)
お散歩中にこんな素敵なお話を思いつくなんて凄いですね!^^
ちゃんとお写真も撮られてて、ピッタリマッチしてて
感心しましたv作家さんみたいですよv^^
by ふゆもえ (2012-11-05 17:55)
ふゆもえさん
ありがとうございます。(^^)
作家なんて、本当の作歌さんに申し訳ないです。(^^;)
でも、褒めて頂いて嬉しいです。
調子に乗りそう。(笑)
本当は、絵が描ければ挿絵を描きたかったんですが、絵の才能がないので写真にしましたが、内容と同じ状況の物が見つからず、この写真をよぉ〜く見ていると、変なのが分かってしまうんです。(^^)
でも、写真がぴったりと言われて嬉しいです。
ありがとうございます。(^^)
by Mie (2012-11-05 21:19)
素敵なお話にピッタリの風景ですね。
by マンチ軍団 (2012-11-06 02:33)
マンチ軍団さん
ありがとうございます。(^^)
風景を見てて思いついたおはなしなので、ピッタリと言って頂くと、とても嬉ししいです。(^^)
by Mie (2012-11-06 06:59)
思わずお話の中に入り込んでしまいました^^
綺麗なドレスになってよかったですね☆
素敵なおはなしですね。
by ami (2012-11-06 09:37)
amiさん
お忙しいのに、読んで頂きまして、ありがとうございます。(^^)
住まいの周りは整備された森の中といった感じの所なので。昔から自然に育っている木が多いんです。
その中に、ツルが絡み付いた木とそうでない木があってそれを毎日眺めているうちに、ツタの葉が紅葉しているものが目に入って来て、この状況を説明したかったんです。(^^)
褒めて頂いて、嬉しいです。
ありがとうございます。(^^)
by Mie (2012-11-06 13:54)