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海岸通ポストカードカフェ☆ [読書]

本当に、月日の経つのは早いですね。
1ヶ月前は、お正月だったなんて信じられません。

新しい年が明け、いろんな方から年の初めのご挨拶として年賀状を頂き、一枚一枚眺めながら「あぁ〜この方は、もうお子さんがこんなに大きくなられた。」とか「この方は、相変わらずお元気そうでなにより」なんて、ご無沙汰していた方々のことを思い出す一時です。

年賀状は、書く時とっても面倒くさいと思うのですが、ご無沙汰している方から「お元気ですか?」と聞かれると「私のことを気にかけてくれているんだなぁ〜」と何か幸せな気分になるので、私も頑張って書かなくちゃと思うんです。

でも・・・・頂いた年賀状に申し訳ないのですが、時々がっかりすることがあります。
それは、すべて印刷した年賀状。
一言でも自筆で「お元気ですか?」とか「たまにお会いしたいです。」とかなんでも(社交辞令でも)良いので、何か書いて頂けるだけでも気持ちが違う。

住所も宛名もすべて印刷・・・・最近便利になったせいか、すべてプリントでササッと済ませてしまう。

とても、味気ない。
私は自分の住所と名前は印刷ですが、それ以外はすべて手書き。
時間はかかりますが、相手の方を思い浮かべながら書くことで気持ちを伝えたいと思うのです。
私のちょっとした拘り。
今は、メールがあるので、年賀状など書く方も少なくなってきていますが、一年に一度くらい「便利」ということは頭から捨てて、人間らしく紙とペンを手にして人情味溢れる葉書を書いてみるのはいかがかと思います。


でも、不思議なんですよね。
電話とかメールは便利と言って、なんでも「便利」なルーツを使うわりに、手紙をもらうと喜ぶ人が多いのも確か。
手紙を書くのは面倒だけど、貰うのは好きなんですね。
それは、合理性を求めながらも、人の温かみは欲しいってことなのかな?


私は、年賀状だけではなく、暑中お見舞いも毎年出します。
遠い方に限らず、近くに住んでいる方にでも書きます。

葉書なので、大した文章は書きませんが、受け取った方は葉書にプリントされた写真や文章の中から何か温かいものを感じると言ってくれます。

パパと結婚する時、お願いしたお仲人さんへ手紙を書いていました。
そのお仲人さんのご主人が脳梗塞で倒れ、半身不随になり10年くらい奥様が面倒を見てきました。
お子さんもいるので、そんなお母さんの姿を見ていたご家族が「たまに、気晴らしをしに出かけては」と言われるのですが、奥様は「お父さんは私以外の誰にも頼みごとが出来ず、私が帰ってくるまで我慢してしまうから」と言って、家族に任せることはせず、どこへも行かずずっとご主人のそばに付き添っていました。
そんなご主人が、一昨年亡くなり、看病疲れからか奥様も昨年(ご主人の命日の少し前)後を追うように亡くなりました。

私は、何もお手伝いはできなかったのですが、年賀状以外に毎年お手紙を二回必ずお送りしていました。
それは、どこへも出かけられない奥様に、パパや娘の話を書くことで自分達が仲人をした者達が幸せに暮らしていることを知っていただくことで、心豊かになっていただければと思ったからです。
そんな気持ちが伝わったていたのか、私の手紙をとても喜んでくださって、お礼のお電話では「いつもありがとう。本当に手に取るように状況がわかって楽しく読ませて頂いてるの。Mieさんの手紙は私にとって宝物。大切にしているの。」と言ってくださっていました。
25年間書き続けてきた手紙。
今は、お手紙を差し上げることもできなくなり、とても寂しいです。

まだまだ、お伝えしたい事があるのに、書けないっていうのも辛いものですね。


さて、前回吉野万理子さんが書かれた「想い出あずかります」という本を読み終え、この本の他に吉野万理子さんは、どんな本を書かれているのかと探してみたら、こんな本も書いていたんです。

「海岸通りポストカードカフェ」

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横浜のみなとみらい近辺を舞台に、海沿いに建つ「ポストカードカフェ」は、お店の中に入ると店内中に、この店に届けられたポストカードが貼られています。
ポストカードは、このお店宛ですが、内容はこのお店へのものばかりでなく、「別れた妻へ」だったり「恩師」であったり、または「嫁いだ娘」であったり・・・・
本当は、本人へ出すべきポストカードを色々な理由があって本人へ直接出す事が出来ない・・・・勇気がない。
そんな時、この「ポストカードカフェ」へ送ります。
送った人は、決してこのお店の人に何かしてもらおうなんて気持ちはないのですが、読んで欲しい人の住所がわかる場合は、連絡をしてあげます。
連絡を受けた人は、読んでみたいと思えば、この店へ訪れ読む事が出来ますが、その葉書を持ち帰る事はできません。
何故なら、その葉書はこのお店宛の物だから。
でも、その手紙はずっとこの「ポストカードカフェ」で保管されているので、いつでも読みに来れるのです。
何歳になっても・・・・


そんな「ポストカードカフェ」へ訪れる常連の人々の人間模様をみていると、今時「手紙」という形は古典的な物に思いを寄せ、流れる時間を温めながら自分の心と向き合っている姿がとてもいいなぁと思うのです。

人と人との関わりには、時間を費やす事って大切なんですよね。

ネットとかメールとかって、簡単で早いけれど、その速さと簡単さがトラブルや事件を作り出す。
気持ちを伝える時、自分の気持ちを文字にすることで、書きながら考え書いた文字を見るというちょっとした時間がある事で、自分の気持ちや相手の気持ちを見直す事が出来ると思うんです。

今、本当に大切な物が少しずつ消えていく事が怖いですね。

自分の選んだポストカードで、自分の手で一文字一文字綴る・・・差出人の思いが沢山詰まった一枚の葉書、素敵ですよね。
大切にしたい文化です。(^_^)☆






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エンジェル

Mieさんからの年賀状や暑中見舞いを貰った方は嬉しいでしょうね〜私もなるべく一言自筆で書くようにしているのですが、書かずに出してしまう場合もあります(取りあえず近況が分かるようにしてあるので(^^;)
「ポストカードカフェ」は現代社会で失われつつある大切な物が見つかりそう。。。読んでみたいです。

「びっくりぽん」って朝ドラの主人公がよく使う大阪弁?です(笑)Mieさんはご覧になってないですか?今回はなかなか面白いです。
by エンジェル (2016-02-02 13:03) 

Mie

エンジェルさん

私の書く手紙の内容って、日常の出来事だけなんですよ。
愚痴なんかも書いたりするんですけど・・・・何故か喜ばれるんです。
挙げ句の果てに、登場人物のパパと娘はとっても良い人になってしまって・・・・
自分でも、なんで良く思われてしまうのかわからないんです。
でも、手紙が届く事で少しでも相手の方が明るく幸せな気持ちになってくださるのなら良かったと思っています。(^_^)☆

印刷のみの葉書、印刷でも文字があるならいいのですが、中には表の宛名を印刷しただけで、裏は干支のプリントだけっていう人がいらっしゃるんです。
特に仲が良いわけでもなく、何も書きたくなかったら年賀状などいただかなくても・・・・なんて毎年思うのです。
なんで、くれるのか意味がわからず・・・・

それで、とうとうやっちゃったんです。
そういう感情のない葉書を貰ったらどう思うかって!

ちょっと悩んですが・・・・出しました。
何も書かない年賀状。
だけど、後悔しています。
自分が嫌な事を人にしてしまった事。
だから、相手がどうでも来年はちゃんと書くことにしました。(^_^)☆

「ポストカードカフェ」実在はしないのですが、こんなお店があったら一度訪れてみたいお店ですよね。(^_^)☆

「びっくりぽん」あぁ〜そうだったんですか。
某N◯Kの朝ドラですね?
大同生命でしたっけ創始者のお話。
そういえば、見ているわけではないのですが、何かの番組で紹介したのを見た様な気がします。
そこで言ってるんですね。(^_^)☆

by Mie (2016-02-02 13:56) 

きなこもち

仲人さんへのお手紙
とってもステキです。
25年間なかなかできる事では
ないですよ。ホントmieさんの優しい
心遣いが伝わったし嬉しかったと思います。
私も手紙欲しいです~(笑)

手紙ってホント貰うの嬉しいですよね。
文字や書き方や便箋etcでその人の人柄や
気持ちが伝わってきますよね。

私は会社でよく一筆箋を使って一言
書類などにつける様にしています。
PCで作ってあるひな形の宛名だけを
変えれば簡単なんですが…
なんだかそれって味気ない気がするんですよね。
季節の一筆箋など選ぶのも楽しいですしね。
って自分がですね(笑)

またまたステキな本ご紹介してくださって~!!
早く今の本読み終わらなくっちゃ(笑)
いつもありがとうございます(^_-)-☆



by きなこもち (2016-02-02 16:14) 

ナビパ

手紙ってなかなか出会えない人との絆でもあるのですね。
こう便利になってしまうと基本的な事柄を忘れがちになります。
こうしてMieさんの記事を拝見してハッとさせられました。
手書きの手紙やハガキには温もりがありますよね。
私はメールをあまりしないで直接に電話をすることが多いです。
直接に声が聞こえるから。。。声に思いや温もりを感じられるんですよね。直接に逢えるのが良いのでしょうが。。。。
by ナビパ (2016-02-02 18:15) 

Mie

きなこもちさん

ありがとうございます。(^_^)☆
手紙って、書くとなると色々考えてしまって「面倒だな」って思う事もありますが、お気に入りの便箋があって、お気に入りのペンが揃ったら、誰かに手紙を書きたくなりますよね。
私は、子供の頃から「手紙を書く」ことが割と好きだった様に思います。
だから、便箋は沢山持っていたんです。

ただ、ちょっとへそ曲がりなものだから、誰々にちょっと手紙出しといて」と言われると「なんだ私が!?」って思ってしまうんです。(笑)

仲人をお願いした方は、いつも前向きで辛い時も「辛い」とは言わず、周りの方に感謝しながら生活されていた方で、そういう人を見ると何かできないかって考えてしまうんです。
そして、奥様が私の手紙を「宝物」って言ってくださったことが、私は嬉しくて、励ますつもりが私が励まされて25年続けられたのだと思います。
とても素敵に生きられていた方でした。

書類にも、一筆箋で一言を添えるって、とっても素敵なことですね。
ぽんと、机の上に書類を置かれるより、何か言葉が添えてあると心が通いあえて仕事も気持ち良くできる様になりますよね。
きなこもちさんは、人との関わり合いをとても大切にされていることを感じます。

昔、職場の後輩が言ってたことなんですが、PCを使って仕事をしていたらメールが入って誰かと思ったら、目の前に座っている同じ職場の人からだったそうです。
内容は、当然仕事のこと。
後輩は、目の前に座っている同僚が、言葉で済むことをメールで送ってきた事に驚いたと言ってました。

世の中には、人との繋がりをそんな程度にしか思わない人が増えてきているのかと思うと、本当に悲しくなります。

今回のお話は、一見短編のようですが、全てが繋がっているお話です。
横浜みなとみらい界隈が舞台で、時々出てくる場所名を読みながら、場所が目に浮かんできて、横浜を散策している気分にもなります。
どうぞ、楽しんで読んでくださいね。(^_^)☆


by Mie (2016-02-02 18:29) 

Mie

ナビパさん

お電話で、コミュニケーションをされるのですね。
声のお便りも、喜ばれますよね。(^_^)☆

私は、電話が苦手なんです。(⌒-⌒; )
女性には珍しいと思いますが、手紙は長く書けても、電話の長いのがとても苦手。
特に、女性は長電話になりやすいじゃないですか?(笑)

亡くなられたお仲人奥様が言ってた事なんですが、手紙の良いところは、「何回も読み返せる」事なんだと。
同じ手紙を、ちょっとした時に読み返してホッとした気持ちを何回も味わうことができるからいいんだそうです。

でも、絶対手紙でなくては・・・・と言うことはないと思います。
手紙でも電話でも、心が伝われば良いのかと思います。

ただ、メールは私の中では連絡の為の方法としか考えていないんです。
それでも、なるべく感情が伝わるよう、絵文字または顔文字をできるだけ入れるよう心がけるのですが、面倒でだんだんメールは減ってきている今日この頃です。(⌒-⌒; )



by Mie (2016-02-03 06:36) 

小梅姉

年賀状、舞凛の写真でございます(^^;
ペットに興味無い人には微妙かもと思いつつ、親バカですから(笑)
by 小梅姉 (2016-02-14 19:56) 

Mie

小梅姉さん

仕方ないです。
動物を飼っている人は、みんな「見せたい!!」って気持ちあります。
ウチも、何故何種類も年賀状を作るかと言ったら・・・・
見せたいから!!

で、人の目気にしないで出来る範囲が、「犬仲間」ってことなんです。(笑)


by Mie (2016-02-16 17:09) 

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